
「自分の家を建てたい」
そう思うことなく、ずっとマンション暮らしでした。
29歳で結婚、以来南大阪で暮らしていますが、建築設計の仕事をしているくせに
自分が住まう空間にはほとほと無頓着でした。
夫に「いつになったら家建てるつもり?」と聞かれると
「いい土地が見つかったらね。せめて80坪は欲しいな~。」
・・なんて現実とは程遠いことを返していました。
そう、「家を建てたい」という欲求がまるでなかったんです。
そんなこんなで30代後半になり、思いがけず子供を授かりました。
3年後にもうひとり。子どもがいる生活はとてもリアルで、生活すべてを愛おしむ
気持ちが芽生えていきました。
「家族」というものの不思議な居心地のよさの先にあるもの、
「私たちが暮らす家を建てたい」と思うようになる、自然な流れができたころでした。
そして2011年の年明け。
ネットで検索してその雰囲気に惹かれた土地を初めて見に行きました。
「ああ、ここはいい。ここに住みたい。」
その土地に立ち、私は全身で気に入ってしまったのです。
しかし夫が大反対。
「そんな探し始めて一件目で決めるなんて・・。
もっといろいろ物件を見て、じっくり考えたほうがええって。」
夫の言うことはもっともなのですが、
ただでさえ選り好みがはげしくストライクゾーンの狭い私が、
第一印象で「いい!」と判断した土地です。そう簡単にあきらめられません。
でも、夫はこの土地の気になる点を冷静に挙げていきました。
①日当たりがわるい。(南側に隣家が建つので)
②道路と高低差がある(擁壁工事にお金がかかるはず)
③西向きである(夫は西日がだいきらい)
それに対して私の意見は
①日当たりは設計次第で解決できる。
②道路との高低差があったほうが、プライバシーが保たれる。
③西側に拓けた景色が最高。桜並木があって家で花見ができる。
と、まったくマイナス要因を感じませんでした。
それ以上にもっといい点を挙げると
①駅から徒歩圏内である(普通に歩いて8分ぐらい)
②小学校まで200m(子どもが安心)
③目の前が博物館であり、図書室やカフェがある。
④博物館周囲は公園であり、絶好の散歩コース。
いい点を言えばそんな感じですが、それ以上になにか惹かれるものがありました。
何?と言われるとわからないのですが。。土地の神様との相性でしょうか・・
土地を選ぶとき私はこれが決め手になると思うのですが、それは
「その土地ならばテントを張ってでも住みたいか???」
という問いです。どうでしょうか。
それをクリアーしているなら、ぜったいに相性のいい土地だと思うのです。
まあ、いくら私が気に入っても、夫が納得しなければいい土地とは言えませんので
この日からしばらく夫婦協議を重ねることになりました。
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